進化の過程で発達してきた反応として、爬虫類の反応(蛇やカエルなど)、哺乳類の反応(ライオンなどの肉食獣が分かりやすい)と、つながる反応(コミュニケーションを取る=人間の反応)という3つの反応がある。
今までの定説では、交感神経(動く、闘争/逃走反応=哺乳類)と副交感神経(じっとしている、固まる、凍り付く=爬虫類)が存在して、その両者のバランスを取って安定しているというのが常識となっている。
しかし、人間には進化の過程で、ストレスがかかった時に、つながる、コミュニケーションを取るという反応が本来備わっていて、これが第三の神経系による反応と言われるがポリベーガル理論である。表情筋、咽頭筋など(5つの神経系)。
そして、この三つの神経状態の中を行ったり来たりしている。
それから、ストレスの先にトラウマ状態があると考えられてきたが、それも違うという。
ストレス状態は交感神経優位、トラウマ状態は副交感神経優位で、対極の状態になっている。
よくあるリリースセラピーでは、そこにある何かを取り除いたり、発散したりすることを目的として考えられてきた。そこで行われるのが、過去のエピソードを思い出すことによって、それらを表面化させ発散させるということだった。
”副交感神経優位の人が、筋トレやランニングをして発散する。”
これに近いことを、心理や精神面に適用させていると考えればわかりやすい。
しかし、過去の凄惨な記憶を思い出しても、記憶喪失にならない限り、その記憶はなくならない。
ここに、その苦いエピソードや古い体験を無くせると考える根本的な誤りがあると、ポリベーガル理論では言う。
繰り返し話したり、思い出すことによって、状態が酷くなるのだ。
無表情の実験というのを見たが、5-6か月の赤ちゃんが無表情の母親に対して、どれだけの努力を払いコミュ二ケーションを取ろうとするか?
その過程は、第一にコミュニケーションを取って、繋がろうとすることであるし、それに失敗すると、「心拍が上がり、顔が赤くなり、血流も促進される。」といった交感神経優位の反応に移り、第三に立っていた背骨が崩れ泣き崩れることになった。
とても悲しい映像だった。
しかし、それはモノとして残るのではなくて、残るのだったら大変だが、一つの状態であるので変化させることによって、再び”コミュニケーション”を取ろうとする、人間に本来自然に備わった状態に戻すことができる。
この時にポイントになるのが、「今ここが安全である」という情報である。
この幼児のころから本来人間に備わっている「コミュニケーションを取る。」(つながる)という状態へ変化させのが、リセット®である。
今まで、どのような生活をしていようと
今まで、環境がどうであろうと
この”つながる神経”を活性化させる事によって
再び、社会で生きてゆくことができるようになる。
この機能が人間には本来備わっている。
酷い状態から回復できる方法としては、「交感神経から副交感神経へ」或いは「副交感神経から交感神経へ」という従来の状態の変化だけではなく、人や社会とつながるための神経へと変化させることができる。
自分たちと動物を隔てる発達した神経系の事にかかわってくる。
では、どう違うのか?
緊張状態(交感神経優位)、シャットダウン・じっとして動けないなど(副交感神経)の状態から脱出して、ちょうどよい状態、心地よい状態へ移行することができるのがリセット®の特徴である。
ストレス社会と言われて久しい。
その原因は数多く存在する。
それに対処する方法がいくらでもあるという。
自分が行ってきて、最も効果が上がったと実感できるのが、このポリベーガル理論に準拠したリセット®になる。
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